0人が本棚に入れています
本棚に追加
「離れても、いっぱい連絡してもいい?」
佐賀先輩の言葉が嬉しくて、つい口角が上がる。
「もちろん。佐賀先輩がいいなら、再会できるまで」
「また会えるかな」
「会えますよ、きっと」
「そうだね。それじゃあ……」
またね、五宝。
佐賀先輩はエスカレーターに乗って去ってしまった。もっと佐賀先輩と色んなところに回りたかったけれど、きっとその分、連絡が来るだろう。それが楽しみではないと言ったら、嘘になる。
佐賀先輩の姿が見えなくなった頃、なんて恥ずかしいことをしたんだ、と自分を戒めたくなった。けれど、悪い気はしない。
「絶対、失くさない」
僕にとって、何よりも大切な宝物なのだから。
完
最初のコメントを投稿しよう!