僕の宝物

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 「離れても、いっぱい連絡してもいい?」  佐賀先輩の言葉が嬉しくて、つい口角が上がる。  「もちろん。佐賀先輩がいいなら、再会できるまで」  「また会えるかな」  「会えますよ、きっと」  「そうだね。それじゃあ……」  またね、五宝。  佐賀先輩はエスカレーターに乗って去ってしまった。もっと佐賀先輩と色んなところに回りたかったけれど、きっとその分、連絡が来るだろう。それが楽しみではないと言ったら、嘘になる。  佐賀先輩の姿が見えなくなった頃、なんて恥ずかしいことをしたんだ、と自分を戒めたくなった。けれど、悪い気はしない。  「絶対、失くさない」  僕にとって、何よりも大切な宝物なのだから。 完
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