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「おはよう・・・大丈夫?」
目が覚めると、横に水仙が浴衣姿のまま座っていた。と、身体に違和感を感じる輝彦。
昨夜は風呂から上がると、部屋には布団が敷かれていた。彼はそこに横になり、スマホのメッセージをチェックしているうちに、疲れが出たのかそのまま眠ってしまったようだ。
「ん、ああ」
「無理しなくていいよ。今タオル絞ってくる」水仙はそう言うと洗面所の方へ行った。
どうやら、眠っている間に発作が来たようだった。身体の周りに滓が落ち、また、浴衣の中の感触が気持ち悪い。輝彦は、慌てずゆっくりと布団をまくり、体を起こした。ふと、敷布団側を見ると、汗をかいたのか、びしょびしょになっている。
「よかったら、浴衣ゆっくり脱いで身体拭いて。部屋にお風呂あるよ」
タオルを渡す水仙。輝彦は無言でうなずくと、浴衣の帯をほどく。
「ちょっと待って」
「いや、大丈夫」
場所を外そうとする水仙を止める輝彦。彼は浴衣を肩から脱ぎ、滓まみれの身体を晒す。そのシルエットはさらに曲線的になっていた。
水仙は輝彦に無言でうなずくと、もう一度洗面所に行きもう一枚タオルを絞って来た。そして、何も言わず輝彦の後ろ側に回ると、そのタオルで彼の背中を拭いた。上半身が拭き終わると、輝彦はパンツを脱ぎ、ゆっくりと身体をずらして座り直した。
「いいの?」
「うん」
水仙が、引き続き彼の下半身を拭いていく。輝彦自身は、その股間の大事なところを、愛おしむように滓を拭きとっていた。
「見たくないですよね」
「ううん、大丈夫」
股の内側を拭き、それが露わになっていく。そこには、輝彦の男性のシンボルがあった。が、それは、小さく萎んだままだった。
「朝だし、こんな近くに女の子いるのに、こんなやわ」
輝彦はそれを眺めてそうつぶやいた。最後にそれが怒張したのはいつだったのか、すぐには思い出せなかった。しかもそれはやはり、手で触っても明らかに、萎んでいるだけでなく、大きさそのものが小さくなっていた。
外はすでに明るいが、早朝の静けさの中にあるようだ。朝日が窓の障子の一角をオレンジ色に照らしている。
不意に、水仙が背中から輝彦を抱きしめる。
「みの、さん?」首だけを振り返り、その水仙の顔を見ようとする輝彦。水仙の顔は、彼の顔のすぐ近くにあった。
「ありがとう。今日は、ぜったいに、彼女に会わなきゃね」
そう囁くと、水仙は身体を離し、少し乱れた浴衣を直す。
「お風呂してきて。ここは、片づけとくから」
輝彦は、水仙の言葉に従い風呂場に向かった。
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