夏の公園で、ふたりでアイスを

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 能力のせいか、俺は生物の寿命が感覚で分かる。繰り返すうちに、コバンへ与えられる寿命の制限を感じていた。  野良猫から3日分の寿命を吸い取っても、コバンの寿命は1日しか延びなかった。やがて半日、数時間、数分と減っていた。コバンの命は限界を迎えていたのだ。  それに焦っていた俺はついに。公園で野良猫を1匹、殺してしまった。  勢い余って命を吸い取りすぎたのだ。酷くショックだった。  腕にコバンを抱えたまま、野良猫の死骸の前で泣きじゃくっていた。  そんな時。 ――――『ねぇ、なにしてんの?』  肌がじりじり焼けるような夏の午後。  声をかけてきたのが悠人(ゆうと)だった。  悠人も俺が野良猫を殺してしまった様を見ていたようだった。  だが彼は、俺が野良猫を殺したことを指摘してくることもなく、 『その猫、可愛いな』  コバンを撫でて、そう言ってくれたのだ。  それでも俺が泣き続けていると、 『泣いてるってことは、ワザとじゃないんだろ?』  悠人は微笑み、数十円のアイスバーを俺に渡してくれた。俺を泣き止ませるために、近場で買ってきてくれたのだ。  アイスバーを受け取ってうなずくと、悠人は何があったのか訊ねてくれた。
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