異世界召喚されて半年程経ったと思いますが、それでも日々発見することはあるものです

今更元の世界に戻っても困る程の期間

　わざと寝不足の状態で魔力供給に赴き、「魔力が不安定だ」と言わせてそこから話題に出そうか？　遠征の前に不調になるのは流石に避けたい。だが、洗練された兵達が治安を守る街で魔力を絞り出しても、その後に安全地帯で休みさえすれば魔力は戻る。その上、魔力に余裕が有る時にオリジナルエナジードリンクを製造しておくと、それが実は回復薬として使えるので、遠征時以外ではそこまで魔力の減少は問題にならない。

　わざと寝不足になるのはやりたいことでも無いが、こうやって考えている内に睡眠時間は減ってしまうものだ。エナジードリンクは召喚してみても、睡眠の質を上げる飲料を元の世界でストックしていなかったが為にチルアウト出来ない。まあ、体力的な疲労感も無いから、仕方の無い事でもある。

　異世界召喚小説であれば、スキルで通販をする主人公も居る。それぞれの作品にレートがあり、異世界で稼いだ金で元の世界の物を買う。今の所、衣食住に困っていないので、そちらの方面に考えが行かなかったが、その位には料理は美味しいし、服の着心地も良いのだ。それに、部屋はもてなしの心が感じられる。

　つまり、大きな不満が無い。不満は無いのだが、それでも気になる元の世界情勢。物理的に存在し、質量のある物を召喚するより、データのみを召喚する方がエネルギーも少なくて済むと思うのだが、召喚対象を思い浮かべなくとも……そうだよ、異世界人がそもそも「対象を具体的に思い浮かべられるもの」じゃない。そこの方面から攻めてもみよう。