お湯で溶かしたポタージュ

ふらふら　くらくら
家に帰り着いたときには
だいぶ熱があった

インフルエンザが流行っていて
どうやらどこかでもらったらしい

重たい体を引きずって
お湯で溶かしたポタージュ

ふうふう　はふはふ　
スプーンで混ぜながら飲み込む
胃に染み込んでいく

お母さんはママ友の集まり
お父さんはお仕事と飲み会
家にひとりきり　
これは静かに寝るしかない

熱を測ったら37.2度
微熱
いや今はそうだけどさ
上がってく予感しかないよ

風邪薬を探して
アセトアミノフェンと
イブプロフェンの違いを考え

冷えピタを探して
おでこに貼ってみたり
念のため氷枕も作ってみたり

明日は学校行けるかな

思わず溜め息
あー、また熱が上がってる予感

薬箱をごそごそやってると
うがい薬があった
苦いからこれは好きじゃない

それに
殺菌して消しちゃいたくない

ファーストキスのあとに
うがい薬を使ったら
ときめきも消えそうだし

考えたらまた熱が上がってきた

明日は学校行けるかな

彼に会う⋯
考えたらまた熱が上がってきた

やばい
これ40度いくかもしれない

彼に伝染(うつ)したくない
なんとか私で食い止めなきゃ

明日はキスできないかな⋯

とりあえずポタージュおかわり
体を温めて
免疫力を高めよう

もうわけわかんないぐらい
顔が火照って仕方ない

あー
明日は彼に会えないかな

会いたいな⋯

もうっ
考えたらまた熱が上がってきた