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 先輩が黙って聞いていたので、僕は話を続けた。 「幼馴染と話していて気づいたんです。先輩と出会った夜。僕が調べたいと言った時、先輩は図書室を教えてくれました。まんまとミスリードされちゃいました。じゃなかったらネットで調べていました。それじゃ困る事が、先輩にはあったんですよね」  僕は目の前にあるゴミのカートを動かした。そこには壁に寄りかかっていただろう白骨が、床に散らばっていた。 「着信メロディだと知っているのは、行方不明になった生徒だけです」 「あなたに頼んで良かったわ。リブラくん」  先輩の気配が消えたように感じ、部屋がふたたび暗闇に包まれた。そして外からサイレンの音が聞こえてきたのと同時に、僕の携帯電話が鳴った。 「もしもし! リブラ大丈夫なの! ねえ!」  思わず携帯電話を耳から離した。 「ちょっと落ち着いてロージー」 「だって! 遅いし、幾ら電話しても繋がらないし、寮に連絡しちゃったよ」 「そっか。ありがとう。それで警察が来てくれたみたいだ」  ロージーと話しながら懐中電灯のスイッチをいじると、嘘みたいに普通に点いた。 「やっぱり何かあったの? 本当に大丈夫?」 「うん。怪我とかはないよ。大丈夫」  エレベーターは電源が落ちているようで反応しなかった。ここまで来られたのは全て先輩の仕業だろう。僕はロージーと話をしながら、助けが来るのを待つ事しか出来なかった。
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