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「それで。不思議に思った事って?」
ロージーが、前の学校に居た時のように身を乗り出した。ロージーは幼馴染で、こっちに転校してきて以来、たまにパソコンでビデオ通話をしていた。そして今、頭の中を整理する意味でも良いと思い、八つ目の学校の不思議について話して聞かせていたところだ。
「不思議っていうか謎なんだけどね。五年前に突然、旧校舎の一階部分が封鎖されたんだけど、それは当時校長だったスタークス会長が決めたことらしい。そしてわざわざ学食と図書室を別の建物に移したんだ」
「生徒にもっといい環境にしたかったとか?」
「そうかもしれない。でもそのタイミングが、何人かの当直の先生が音楽を聞いたと書いた日に近いんだ。そのあと当直制度そのものが廃止になったり。なんか一階どころか校舎から人を遠ざけたいみたいじゃないか?」
「そう思おうとすればね」
「その後、たった一年で新校舎を建てて旧校舎は残したままだ。五年前に何かがあった。それは確かだと思うんだ。八つ目の不思議に関係してる可能性も」
「思い込みな気もするけど、リブラはそうやって色々と解いてきたからなー。ネットで調べてはみた?」
「いや……まだ。そうか。でも、もう行かないと」
「夜に先輩と旧校舎かー。怪しいなー。その人、本当に大丈夫?」
「べつに、他に目的はないと思うよ。成り行きってやつだよ。じゃ、行ってくる」
「はいはーい。キスとかされないようにねー」
僕はロージーに、まさかとジェスチャーしてみせてパソコンを切った。
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