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教室の四倍はありそうな学食フロアは、放置された今も等間隔にテーブルと椅子が並び、校舎の静けさを助長させているようだった。
窓に囲まれたフロアには、テーブルと椅子しかないのは一目瞭然だった。僕たちは正面の配膳カウンターに向かった。
フロアから覗き込んだカウンターの奥は真っ暗だった。カウンター隅にある出入り口からキッチンに入ると僕は立ち止まった。
「目が慣れるまで少し待ちましょう」
「そうね。包丁なんかも残ってるし危ないわ」
しばらくして、図書室の時のように僕たちはキッチンの中を見て回った。
「アカデミーの敷地内だし荒らされた様子もないわね。封鎖した時のまんまって感じ。普通のキッチンだわ。他も見る?」
キッチンの中央で先輩の話を聞きながら、僕は提案してみることにした。「先輩。ひとつ気になる事が」
「どこ!」
「あそこ、何だと思います?」
僕が指差した壁には、ドアにあるペット用の出入り口を大きくしたような扉が付いていた。先輩は躊躇なくそれを開けると、頭を突っ込んで覗き込んだ。
「あーー」
「ちょっと先輩!」
先輩の声が反響して驚いた僕の声も大きくなった。
「下まで続いてるみたい」
「先輩。これダストシューターですよ。ゴミを入れた袋を捨てるための。つまり、この校舎には地下があるはずです。知ってましたか?」
僕の推測に、先輩は両手を広げ首を傾げた。
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