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「さすがに動かないですよ」  僕がを言う前に、先輩がエレベーターのボタンを押した。するとモーターが動く音がした。 「きっと電源は校舎のとは別にあるんじゃない?」 「先輩。行動する前に一旦考えましょ。古いから危険もあるかもしれない」 「はいはい」  さらっと言い放たれた先輩の言葉に、僕は呆れて言葉を返した。しかしそれも、さらっと流されてしまった。  ゴミをカートごと運べる大きさのエレベーターに、先輩はさっさと乗り込んだ。僕はワイヤーが切れて落下でもしたらとヒヤヒヤしていたが、それを悟られないよう出来るだけ堂々と慎重に乗り込んだ。  エレベーターが着いた先には、緩やかなスロープの先に両開きの鉄扉があった。片方の壁は手摺りの付いた階段になっていた。 「さすがにゴミは回収されていますよ」  僕がを言う前に、先輩が鉄扉を開いた。僕は咄嗟に鼻と口を手でふさいだ。  そんな僕を置いて、先輩は鉄扉を全開にして入って行った。さすがに月明かりはないが、非常灯ほどの電気が付いていた。エレベーターと連動しているだろうか。 「だから先輩。もー。ゴミ袋は残ってますけど。臭いもなにも、とっくになくなったみたいですね」  僕が見回しながら部屋に入ると、天井には何本ものダクトがあった。外のファンと繋がっているんだろう。つまり完全な密封空間ではなさそうだ。  すると突然、雷が落ちたような爆音が響いて電気が消えた。
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