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めいこちゃん。
僕が小学生の頃にあった、怖い話を一つ聞いてほしい。
当時、僕ら一家は小さな賃貸マンションに住んでいた。小さな駅の近く、ものすごく不便というほどではないけれどほどほどに田舎、くらいの町。田んぼだらけっていうことはないけれど大きなショッピングモールが近くにあるわけではなく、コンビニやスーパーはあるけど電車の本数とバスの本数はあんまり多くない、みたいな。
でも僕はそんな町が気に入っていた。
勝手な偏見もあるけれど、ビルだらけの都心近くより空気が良くて治安が良いと思っていたし、何よりたくさん友達がいたからだ。
小学校が極めて近い場所にあった、というのも大きい。
同じ学校に通う近所の友達と、家のすぐ傍の公園で毎日ように遊んでいた。遊べる公園が複数あったというのも魅力の一つだっただろう。特に僕達が一番遊ぶことが多かったのが、“裏山公園”と呼んでいた、神社の隣にある公園だった。
なんで裏山公園なのかというと、公園のすぐ裏に小さな山があったから。山っていうほど大きなものじゃなくて、まあ丘程度のものだったんだけれど。丘の下と丘の上にそれぞれ違う遊具があって、“今日は丘の下の方で遊ぼう”とか“今日は丘の上の方で遊ぼう”とか気分によって変えていたのをよく覚えている。
さて、ここからが本題。
僕が小学校四年生の時。この時が、一番友達がたくさんいる時期だった。
同じ四年三組の友達と、毎日のように放課後集まって裏山公園でかくれんぼをしていたのだった。外遊び好きなアクティブな友達が多かったこと。僕が子供のころはまだ、中学受験するような子供が極めて少なくて、塾に行っている子が稀だったというのが大きい。
怖い話というのは、この時いつも遊んでいた――かくれんぼでの出来事だ。
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