6人が本棚に入れています
本棚に追加
(だけどもう。ツッチーだけは、何をしたって取り戻せない……のか)
式場の人の声がけで、お焼香の列へと並ぶ。
少しずつ奥の部屋から漏れる灯りの量が、多くなる。
眩しい照明に照らされて、線香の香りが鼻を掠めたその先に、たくさんの花に囲まれた笑顔のツッチーの遺影があった。
(本当に、死んだんだ……)
もう二日、経っている。
(でもどうしたって、俺の中でまだツッチーは生きてる)
警察の人は、現場保持の観点からと。
あの日、家の中に修たちを入れてはくれなかった。
(あれ……?でも、待てよ??)
行列の向こうで、チラチラとこちらを見てくる満面の笑み。
それを見ていて、修はある事実に思い当たった。
最初のコメントを投稿しよう!