Episode3 欠片

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(だけどもう。ツッチーだけは、何をしたって取り戻せない……のか)  式場の人の声がけで、お焼香の列へと並ぶ。  少しずつ奥の部屋から漏れる灯りの量が、多くなる。  眩しい照明に照らされて、線香の香りが鼻を掠めたその先に、たくさんの花に囲まれた笑顔のツッチーの遺影があった。 (本当に、死んだんだ……)  もう二日、経っている。 (でもどうしたって、俺の中でまだツッチーは生きてる)  警察の人は、現場保持の観点からと。  あの日、家の中に修たちを入れてはくれなかった。 (あれ……?でも、待てよ??)  行列の向こうで、チラチラとこちらを見てくる満面の笑み。  それを見ていて、修はある事実に思い当たった。
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