Episode1 異変

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 一限からという明日の現実を思い出し、足早に帰宅する。 「ただいま」 「修くんおかえり」  妹のちかが、玄関で宅配便だろうダンボール箱を解体していた。 「俺のあった?」 「修くんのはないよ。あったのは私のと奈々(なな)の」 「そっか」  姉妹に挟まれた真ん中っ子。 (モテないのは、女子二人に振り回されてきたこの境遇のせいもあるかもしれない。いや、そうに違いないと思いたい)  風呂待ちの間に、リュックの中身を確認していたら、やたらとグループの通知が飛んできた。 (なんだ?急に) 『誰か古典芸能史取っててノート書いてるやつ。救済求む』 (なんだよ。ビビらせやがって、みっつんかよ)  一年の時。オリエンテーションへ寝坊してきて、最後列にいた修の隣に滑り込んだ金髪ツンツン頭。  知り合った日からブレることなく、仲間内で一、二を争うだらしなさのあやつは、どうやら選択科目のノート提出にお困りのようだ。 『知らん』と三文字打って修は風呂へと向かった。
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