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「廃棄、貰ってきたから食えば?」
まだ何も食べてないだろうと思った俺は家に着いてから菜々美に言った。
「それはなお君のだよ。なお君が頑張ったご褒美。」
「腹へってねぇの。」
「じゃあお昼ご飯だね。」
菜々美は言いながら洗面所へ化粧直しに行く。
「何も食ってねぇんだろ?」
「ダイエット!なお君こそ、少しでいいから何か食べなよ?」
ストレスがあると食欲が落ちる菜々美だから、俺のせいで今食べられないのだろうか。そう考えれば罪悪感で話せなくなる。
「朝ごはん、作ってあげよっか?」
黙って座り込んでいた俺の方を洗面所から覗き込んで、菜々美は言った。
「いいよ。仕事行くんだろ?」
「時間はまだあるから。何がいい?食欲ないなら雑炊とか?」
作る気でいる菜々美は少し乱れていた髪をまとめ直して洗面所から出て来、すぐ側にあるキッチンの電気をつけて準備をし始めた。そうなれば俺も止められない。少し間を空けて俺はうんと返事をした。
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