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「お疲れ様。」
丁度夜勤前の休憩に入ろうとしていた時、スウェット姿の菜々美が缶コーヒーを二本レジに持ってきた。
「さっさと寝ろよ。明日も早いんだろ?」
もうすぐ二十二時というのにシャワーもまだ浴びずブラックコーヒーを買いに来た菜々美はきっと俺を心配して起きてるつもりだろうと思った。デザイン系の会社に就職し、リモートで仕事をすることが多いが確か明日は会社に行く日だと言っていた。
「一本は明日のだよ。もう一本はなお君への差し入れ。」
節約のために普段はコンビニで買い物などしないはずの菜々美はそう言って一本を俺の方によこした。気を使わせているのは俺の方だから、俺は余計なことを突っ込まず「ありがと」とその一本を受け取った。
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