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「よし、寒いしさっさと帰ろう」
ふわっと少女から香った甘い香りに、顔を綻ばせながら桜の木を背に歩き出す。
「‥え?」
何の気なしに後ろを振り向くと、満開に咲いた枝垂れ桜など跡形もなく巨大な老木が堂々と立っていた。
「なんで‥」
もしかしてこの娘のせい?
未だ寝息を発てる女子を見るけれど、分かるはずもなく溜め息を吐いて前を向いた。
どうやら、とても不思議な娘を拾ったみたいだ。
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