第一章 - 花霞 -

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「んん‥」 ああ、温かい‥なにこれ布団? 「あ、起きた?」 「うはぁ!?」 ゆっくりと目を開けると目の前には見慣れた天井‥ではなく知らない青年の顔。 驚いて声を上げると、小さく肩を揺らしながら笑い始めた。 「ははは!うはぁって!うはぁって‥!あははは!!」 「‥‥‥」 なにこの人。 起き上がって、ひぃひぃと浅い呼吸を繰り返す青年を見る。 「あ、笑ったりしてごめんね? でもおかしくって‥ははははっ!」 「‥‥‥」 謝りながらも笑い続ける青年に冷めた視線を向ける。 本当になにこの人。 初対面なのに失礼極まりないんですけど。 ひとしきり笑ったあと青年は、ふぅと息を吐き出して私を見た。 「いきなり笑ったりしてごめんね?だからそう拗ねないでよ。それより具合はどう?痛いところとかある?」 「ないですけど‥」 「なら良かった」 にこりと人のいい笑みを浮かべる青年。 その青年の格好を見てある疑問が浮かぶ。
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