第一章 - 花霞 -

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暫く悶々と考え続け、やっと一つの結論に辿り着いた。と同時に顔から血の気が引いていく。 「まさか‥タイムスリップ‥?」 いやいやそんな馬鹿なことある? どこの漫画?ありえない。 ‥‥でも、もしこの予想が当たっていたら? 「‥あの」 「ん、どうしたの?」 「変なことをお聞きするんですが、今って何年ですっけ‥?」 「えっとね、今は文久四年の一月だよ」 本当に変なこと聞くね?と青年が不思議そうに小首を傾げる。 「嘘でしょ‥?本当に‥?」 文久四年‥。 西暦は確か1864年‥約160年前の時代。 「あああああ‥」 どうしよう。 この人が嘘をついていないのだとしたら、本当にタイムスリップしたのかもしれない‥!!! そんなことありえる!? 絶望的なこの状況に頭を抱えて唸ると、頭に大きくて温かい手が優しく置かれた。 「大丈夫?さっきから何か不安そうだけど‥僕は君を傷付けたりはしないよ?」 「うう‥」 何かちょっとした勘違いをしているようだけど、落ち着かせるように背中を撫でてくれる。 その優しさにじわりと涙が溢れてきた。
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