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暫く悶々と考え続け、やっと一つの結論に辿り着いた。と同時に顔から血の気が引いていく。
「まさか‥タイムスリップ‥?」
いやいやそんな馬鹿なことある?
どこの漫画?ありえない。
‥‥でも、もしこの予想が当たっていたら?
「‥あの」
「ん、どうしたの?」
「変なことをお聞きするんですが、今って何年ですっけ‥?」
「えっとね、今は文久四年の一月だよ」
本当に変なこと聞くね?と青年が不思議そうに小首を傾げる。
「嘘でしょ‥?本当に‥?」
文久四年‥。
西暦は確か1864年‥約160年前の時代。
「あああああ‥」
どうしよう。
この人が嘘をついていないのだとしたら、本当にタイムスリップしたのかもしれない‥!!!
そんなことありえる!?
絶望的なこの状況に頭を抱えて唸ると、頭に大きくて温かい手が優しく置かれた。
「大丈夫?さっきから何か不安そうだけど‥僕は君を傷付けたりはしないよ?」
「うう‥」
何かちょっとした勘違いをしているようだけど、落ち着かせるように背中を撫でてくれる。
その優しさにじわりと涙が溢れてきた。
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