第一章 - 花霞 -

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左耳からぽろりと落ちたイヤフォン。    キキーッ!!    ドンッ!! 私の身体と共に地面へ散っていた桜の花びらが宙を舞った。 霞む視界の先、真っ直ぐこちらを見つめる誰かの口元が優しく持ちあがる。 意識が途切れる直前に聞こえたのは‥ 「──過去の僕によろしくね」 どこかで聞いたことのある温かくて優しい‥声。 あなたは‥誰?
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