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ゼウス『どうじゃ、復讐。』
「やっぱ違和感だな。」
ゼウス『何がじゃ?』
「神様が復讐を勧めてくるの」
ゼウス『うむ、そうじゃなそれなら本当のことを言おうかのう?』
「え?」
ゼウス『お主に第二の人生を歩んでほしい。ワシからお主へのプレゼントを贈ろうと思っておるのじゃ。』
「はぁいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
ゼウス『それで特別な力を持った状態で歩んでもらおうと思って、考えたのが他人の人生に関与する力。』
「あの、話が追い付いていきません・・・」
ゼウス『とはいえこれは強すぎる力、行使するにはそれ相応に資格がいる。
そこでテストとしてお主の善意性を確かめる意味で復讐心を芽生えさせることにしたのじゃ。』
「話聞いてる?っていうかそれやり方あってる!?」
ゼウス『最後まで聞け!これには意図がある、お主がその気になれば最悪の悪意を以て運命を築かせることも可能じゃったのじゃ。
命の危険にさらされるようなことはできないようにしてあると言ったが、一定の悪意の感情に触れるとその力は解放される。本来、その杖自体には何の制約もない、相手の人生を想うがまま操れるのじゃ。ワシがちょっとそれに制約の力を与えただけでな?』
「・・・それで?」
ゼウス『第一段階クリア』
「は?」
ゼウス『生徒への復讐はある程度片が付いた。まぁ、ほぼ全校生徒がお主の復讐対象になっておるじゃろうし、引き続きそれなりの復讐を楽しんでもらっても構わないが、お主には次のステップに進んでもらう。』
「はぁ。」
ゼウス『お主を助けようとしてくれなかった大人たちへの復讐じゃ。』
「・・・」
ゼウス『確かにお主は救済を求めたことは一度もない、その点で考えると助けてもらおうという考えは傲慢に思える。しかし、明らかに見て見ぬふりをしているあの環境下は異質じゃ。それについては何も言わないでおこう。
その上で、先生たち大人にどう復讐するのか・・・
次はコレを見せてもらいたいのじゃ。』
「・・・何のため?」
ゼウス『お主がその力を持つ者にふさわしいかどうかを見極めるためじゃ。』
「なんで?」
ゼウス『お主にその力を授け第二の人生を歩んでほしいからじゃ』
「どうして?」
ゼウス『・・・”運命の傀儡師”という世界を統べる存在がいる異世界がある。現・運命の傀儡師はもう間もなく命の際を見ることになる。
何故、そのような存在がいるのか・・・お主がいた地球という異世界以上に悪意がそこら中を跋扈している。力を持つ者が、権力者がそもそも悪でその世界が中々思うように回らない。だから裏で操り緩和していく必要がある。
次はお主に継いでもらおうかと思ってな?』
「・・・その異世界いる?」
ゼウス『ちょ、君相当えげつない事言っているの自覚あるのか!?』
「いや、だって・・・ねぇ?」
ゼウス『ワシじゃってそう思うことはある。が、滅ぼすことは認められんのじゃ。いや、神が人に直接干渉してはいけないというルールがある・・か。言い訳に使うとするならば。』
「言い訳?」
ゼウス『・・・君はホント揚げ足取るのが上手いなぁ・・・』
「いや、純粋に疑問に思っただけです。」
ゼウス『無自覚も罪ぞ?』
「すみません。いや、なんで!?」
ゼウス『ふむ、話が逸れたな。
兎に角その異世界を滅ぼすことは認められん、全員が全員悪というわけではない、それに悪だけを滅ぼすということもいささか微妙なのじゃ。』
「・・・」
ゼウス『聞きたそうだから答えるが・・・
”運命の傀儡師”の介入で悪意が緩和されたのはそこに住まう悪意のある者の悪意を妨害したからだけではない。
その後しばらくは自主的に悪意に手を染めなくなった。
時間が経てば再び悪意に手を染める、その繰り返しなのじゃ。』
「何度もやったら流石に諦めると思うけど・・・」
ゼウス『そこが分からぬ、忘れたころに何とやらというのはよく聞くがそれとも違うじゃろうし・・・とにかく現状ただの悪意というだけで滅することは躊躇うに値することが分かっているのじゃ。
それを認めているのに、滅するのは違うじゃろ?』
「それは分からないけど・・・」
ゼウス『とにかく、そういうわけでお主にはその異世界で世界を見守ってもらおうと思うのじゃ。』
「思ったんだけど・・・」
ゼウス『はい。』
「それって、プレゼントであってる?」
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