第3章 運命の傀儡師

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ゼウス『ん?うーん、本来はお主は死後もイジメられた苦しみを、死の瞬間に見た彼らの表情が脳裏に焼き付きながら天国へ逝くことになっていた。 しかしワシの計らいで、それとなく鬱憤を晴らさせ更に同じような苦しみを味わいそうな哀れな人間たちをその手で救い出すことができる力を手に入れた。コレはそれなりに良いご褒美だと思うんじゃが違ったかね?』 「・・・結構回りくどいなって思って・・・」 ゼウス『やっぱお主、キャラ変したかえ?』 「・・・気分が楽になったからかもしれない。」 ゼウス『ワシのおかげじゃな♪』 「ずっとそれ言っているな?」 ゼウス『ワシのおかげじゃもん。』 「はぁ、僕が夢見てた異世界冒険っていうのとは違っていたなって思っただけです。っていっても実際は復讐をそれなりに果たせたし、なんやかんやで異世界で生きて生活を送れている、これも一種の異世界冒険なのかもしれないなって思うようにします。」 ゼウス『棘のある言い方じゃの~ そりゃ、魔法がバンバン打てて、チート級で誰からも好かれる何でもアリに憧れるのも分からんでもないが、そういうものは本来元々そういう素質のあるものが後々明らかになっていくっていうのがパターンなのじゃ。』 「それ遠回しに僕には素質は無いって言っているってこと?」 ゼウス『・・・ウォッホン、ホレ・・・アランさんがお呼びじゃぞ?』 さっきまでベッドに座ってアレコレしてたが、アランさんに言われて近くのドアからバルコニー?に導かれた。 出てみると、外は賑やかだった。 大人、子ども、老人いろんな人々がここの前に集まってきている。 周りを見ると、どうやら城の一室っていう印象は確かだったらしい。 城の右端の小部屋がここみたいだった。 そして下には城下町というイメージがぴったり合う家々が立ち並んでいたり、憩いの噴水の広場みたいなのがあったりとしていた・・・ アラン「本日付で”運命の傀儡師”を継承しましたタクト様です。力のほどは既に実証済みなのでご安心ください。それではタクト様より挨拶!」 って、えぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!? あ、あ、あ、あ、挨拶するの? 僕が? 普通に恥ずかしいんですけど・・・ ゼウス『第二の人生、ガンバじゃぞい♪』 「他人事だと思って・・・(ボソッ)」 ゼウス『実際他人事じゃもんww』 アラン「タクト様、どうぞ?」 「え・・・えぇっと。」 マイクを渡され緊張してたじろぐ・・・っていうかマイクあるんだw ってそういうことじゃなくてですね・・・ はぁ。 「えっと、あの。初めまして僕はたくy・・タクトと言います。 運命の傀儡師としてこれから頑張っていきたいと思います! よろしくお願いしますぅ・・・」 最後しりすぼみになってしまったが、周りの反応からすると別に気にする必要は無かったようだ。 あちらこちらで歓声が挙がっていた。 アラン「それでは正式な継承式は後日改めて日取り等ご連絡させていただきます、本日は以上です!」 総しめくくりバルコニーを後にした。
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