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?「よ、卓也今日も遅刻せずに来れたな?
俺だったらとっくに不登校になってるけどなww」
学校に来て早々罵声を浴びせられる、コレはもはや挨拶だ。
遅刻したら遅刻したで問答無用で殴られるから、僕は遅刻ができない。
殴られた顔を親に見せたくないからじゃない。
前に一度だけ殴られて帰ったことがある、それはもうボコボコだった。
その時の父は高らかに笑って・・・
『喧嘩こそ男の子の青春時代ってねぇ、ハハハ』だと。
それ以来、僕は遅刻しないようにした。ひたすら惨めに思えるだけだから。
遅刻をしない動機がまさかこんなのなんて・・・
?「何無視してんだよ、殴られたいのか?」
「お、おはよう・・・」
?「おう、ったく。可愛げねぇな、じゃまた後でな♪」
彼こそ、僕を初めてイジメたクラスのリーダー的存在の橘康平君。
スポーツ・勉強共に秀才でクラスでも人気者、僕をイジメているのを知ってからもクラスメイトの彼に対する振る舞いは変わらない。
それは通っているところが男子校って所が一番大きいのかもしれない。
それに対してあってあーだーこーだ言ってくるような環境ではなく、逆に皆楽しそうに僕をイジメ始めたんだ。
高校生。子どもとはいえ既に大人の扱いを受け始める年頃、ある程度常識は育っているはずなのに僕に対するいじめはいつだって陰湿だった。
昇降口を昇り自分の戸棚を見ると中は虫だらけだ。
一体どこから集めてくるんだって、蜘蛛や鼠やゴキブリ、ムカデっぽい変な虫までうじゃうじゃ。
そんな努力を何故するのか?
で、僕は虫は大の苦手、見るだけで鳥肌が立つ。何も知らずに手を伸ばした瞬間気づいた今回は阿鼻叫喚の絶叫を放った。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
??「「アハハハハハ、アハハハハハ」」
バタバタバタ…
どこからともなく下品極まりない笑い声と走り去る音が聞こえる。きっと、監視してたんだろうな・・・
僕がどんな反応を示すかって、質の悪い悪戯の常套手段。
僕は近くの掃除棚ロッカーから箒と塵取りを取って虫をかき集め外へ放り投げた。
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