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「復讐・・・」
ゼウス『お主、つらい想いしてきたんじゃろ?
学校では生徒から、先生からいわれのない理由でただただ虐められ・・・
家では、そんな学校のいじめを楽観視し女性を軽蔑視する父親が牛耳っている。』
「でも・・・」
ゼウス『お主は優しさの塊じゃな。それ故、不幸をしょい込んでしまう。
その結果があれじゃ、あれとてお主の善意が少しでも弱ければどうにでもなれたはず。スマホを取り返す瞬間に脳裏によぎったのは本当に両親の怒りに対する恐怖心じゃったか?』
・・・違う。
確かに、モノを壊したり落としたりするたびに結構な力量で叱られたことがある。だからあの時も確かにそれを想った。
けどそれ以上に、買ってくれた両親を自分の不備で壊して悲しませたくないっていう想いがあった。
どんなにおかしな屁理屈をこねる父親でも自分の親だ、こんなことでショックを受けさせたくなかったっていう思いはあの時確かにあった。
ゼウス『のう、今じゃ両親はお主の死に嘆き悲しみ絶望し、あわや後を追うのではないかというほどに憔悴しきっておる。そこで、その悲しみを少しでもぬぐってやる方法があると言ったらどうじゃ?』
「へ?」
ゼウス『直感的にお主の両親には死の原因ともなる存在の不幸な末路を喜として捉えるよう施しておいた。なんとなく心が軽くなったそんな感覚をお主が復讐を果たす度感じさせることができる。
お主の理不尽な死の原因となった人たちの不幸の数々はお主の両親の生きる活力になるのじゃ。』
「・・・・それ神様が言って良いの!?」
ゼウス『・・・ウォッホン、大丈夫じゃ。それくらいのことは許される、それほどにまでお主が善良な人間じゃったということ。で、どうじゃ?』
「悲しませたくはない。」
ゼウス『ほいきた、力を授けよう!』
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