第1章 いじめっ子生徒たちへの罰

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ーー 部活。この子は文科系の読書部という部活に入っている。 これだけ見ると比較的おとなし目に見えるがその印象は正しい。 基本的にどれに対しても消極的な態度で振る舞っている彼だが、僕へのいじめだけは何故か超がつくほど積極的だ。意味不明。 今日は机の落書き程度だったけど、この前は結構目立ったいじめをしてきた。 教科書に大胆にも黒マジックで全部塗りつぶしたんだ。 その努力なんで他に生かさない?って本気で思った。 そんな彼は、受験で出てくる”小論文”の勉強中。 今は読んだ本の概略を簡潔にまとめるという作業をしている、意外と勉強熱心だなって思う反面なんで僕をイジメるんだろう。 進学したいなら絶対的失点なのに・・・ そんな僕は彼にこう念じる。 (意味の分からない文章作成で怒られろ!) 顧問「なんだこの文章は!」 寛「え?え?」 顧問「誤字脱字が目立つ、文章を打ってるんじゃないんだぞ? で、文法的におかしいところもいくつもある。ったく今まで何を勉強してきたんだ?」 寛「いや、でも先週は・・・」 顧問「そうだったね、あれは素晴らしかった。でも今回はとことんダメだ。 ほらやり直し!」 ーー 軽かったか・・・ ゼウス『なんじゃ、不満か? 未来遠くを見据えればこの程度の失敗とは言えぬはずじゃ。 こういう継続系の場合、お主が意図して止めさせない限り続くからのう・・・ 彼が受験で小論文を書くことになった場合、間違いなく0点を取らせる。 まぁそもそも、こんな成績じゃ小論文どこじゃないかのう?』 「じゃあダメじゃん。」 ゼウス『ま、そういうこともあるだて・・・ ふむ、お次はお主の弁当箱を屋上の隅っこに追いやった子じゃな。確か、リーダーの側近じゃったか』 「あぁ、康平君のそばで色々陰口叩いていた・・・」 僕が理不尽に康平君に殴られるときはいつだって彼奴がいた。 僕が康平君を馬鹿にしただとか、僕が康平君を超えてやるって言ったとか、なんとか康平君を逆なでするような根も葉もない嘘をでっちあげ耳元で囁いていた。 正直康平君も僕がそんなことを言うはずがないって知っているはず。 だけど殴る大義名分があるのとないのとではノリが違う・・・ように思える。 康平君が僕を殴る時、近くに彼奴がいるのといないのとでは威力に違いがあった気がした。 体感で感じるほどだから確かなんだろう、殴られて違いを知るっていうのも皮肉な話だが・・・ だからこそ、僕はリーダー以上に彼が憎かった。 彼の名は、小林流星(こばやしりゅうせい)。 今は下校中らしい。 こうしてみると僕をイジメる主犯的メンバーは一気にバラバラになった感じがした。 リーダー・康平君は僕の死を見届けた後は学校サボってどっか遠いところに行こうとしていた。流石に人の死を目の当たりにして思ったところがあったのだろう。 腰巾着も早々に学校を早退し康平君の後を追う、その中パシリをやらされていた。 また1人は、早々に早退し今朝の出来事を忘れたい一心でバイトに陶酔。僕の邪魔が入って散々な目に・・・ また1人は、勉学に勤しむも空回り。 少しだけ気分がよくなった。 これが復讐を果たした感情なのか? まだ分からない。
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