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「その顔超可愛い。マジ惚れた。愛してる! で・も、アンタも俺も大人じゃない!! ガキなんだっつーの」
「だ、だからって簡単に、惚れたとか愛してるとかそんな……言葉を軽々しく――」
「だからツバキにはマジ惚れしたんだよ!!」
語気を荒げ怒鳴るように喋る晃君は
「なんならここでキスしてやってもいーぜ?」
とか言い出した。
ムキになるところがまだ子供っぽいというところだろうか。
こんな道の往来でキスなんかされてたまるものですか。
「い・や・よ!!」
私は全力で拒否する。
そして
「あ! おい! 待てツバキ!!」
――私は全力で逃げた。
逃げるしかできなかった。
だって、だって私の人生初のナンパが、カッコいと思った人からの声掛けが、まさかまさかの小学生だったなんて……
小学生だから、追いかけてくるかと思ったが、追いかけてはこなかった。やっぱり小学生が私の反応で遊んでいたのだろう。
帰り道。
私は泣きたくなってしまい、気がついたら涙を流していた。
――明日。
やっぱり明日、彼に渡そう。
ある意味迷いがふっきれた私は。勇気を振り絞ってある男子生徒にプレゼントを渡すことにした。
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