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今日の買い物も実はそれの準備だたんだけれど……
手に持っている材料を見下ろしながら、
「……なんか疲れた」
大きく溜息を吐き出したのだった。
明日はバレンタインデー。
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バレンタインデー当日。
私は、ナンパはされたのは昨日が初めてだったが、チョコレートを渡したい相手が居る。
御堂君の事を思い浮かべると胸が温かくなる。胸が締め付けられる。心拍数が落ち着かなくなる……が、御堂という言葉に反応してしまう、
クラスは違うが学校で1番人気がある同学年の……み・ど・う?
「いや。まさかね、うん」
私は自分に言い聞かせる。
「何を1人でブツブツと言っているのよ」
親友が心配して声をかけてきてくれた。
「な、んでもないよっ」
私は頭をよぎった昨日の出来事を思考から追い出した。
……それでも結局、私はチョコレートも渡せなくなった放課後の帰り道の公園で、偶然御堂君が1人になっている所に居合わせた。
ベンチに座っている彼はどこか哀愁が漂っている気がする。きっと今日は疲れたのだろう。
がんばれ自分。私は意を決して御堂君に話しかけた。
「あの……御堂君?」
「――なに?」
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