私と彼とランドセル

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「私と彼とランドセル」 「なぁそこの彼女。今暇? 俺とお茶でもしねぇ? なんならケータイの連絡先も交換しようぜ」 1人で買い物を済ませ、そのついでにショッピングモールでウィンドウショッピングを愉しんでいる最中、唐突に後ろから声をかけられた。 「……っ!」 突然声をかけられた驚きと、そして心の中では人生初のナンパに遭い戸惑いつつもどこか嬉しい私が存在している。 振り返らずにガラス越しに、声の主を見やれば、私よりも高身長で、パーカーのフードを被っている様子だった。 「……は、はい。喜んで」 恋愛に憬れて居た私は、私は興奮する気持ちと動揺する気持ちを抑えようとしたが故に、声が裏返ってしまった。 振り返れば、青空のような鮮やかな水色のパーカーを着こなしている彼は私を見下ろし私の返事を聞きニヤリと笑っている。 そのどこか悪戯っ子のような笑みがなんともいえずかっこよくて、胸がトクンと高鳴ったのを感じた。 ――私、彼に恋しちゃったかも……好きな人がいるのに。 その好きな人に、私は想いを伝えてはいない。 「恋愛感情」という気持がイマイチわからない私。 それでもでも私はその彼のことが好きだと思う。
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