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好きな人が居るのにナンパをされて浮かれてしまった私は罪悪感を感じてしまう。けれど彼はとてつもなくモテる人。
私なんか不釣り合いだろう。
彼に対しての気持ちはあるけれど……それだったら今、この彼と楽しい気持ちになれるのなら――
私は葛藤しながらも、ナンパ男さんの誘惑に負けて携帯電話を取り出した。
というか、ナンパ男さん、高身長でとてつもなくカッコイイんですけれど。
自分の身長が平均よりも低いことは承知しているが、それよりも遥かに高い。そして洗練されたファッションに身を包み、仕草のひとつひとつがモデルみたいに美しい
。
「へぇ~。今時ガラケーなんだ?」
まるで珍しい物でも見たかのようで、興味津々と覗き込んでくる。片手はポケットに入れたままで、軽く腰を屈める彼の整った顔立ちが急接近する。
高い身長、切れ長の細い目。喋ると白い歯と赤い舌が覗かせて来る。
唇から発せられる声音は低すぎず、なんともいえず、私にとっては心地よい声だった。また胸がときめいた。心拍数も上昇してしまう。
2XXX年東京。
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