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そう言ってくれた小学校3年生のバレンタインのチョコレートをいまだにとってある程だ。
どれもこれも柚葉の為に俺は生きている。
生き続けている。
これから先も生き続けなければいけない。
いいところに就職をして柚葉を養う決心もとっくについている。
その為の勉強であり鍛錬だ。
俺はそれが苦ではなかった。
むしろ俺を、この俺を柚葉という鎖で繋いでいてほしかった。
足枷でも首輪でもい。
俺と柚葉を、小指の赤い糸だけでは足りないくらい、太くて短いモノでしっかりと離れないように繋いでおいてくれ――
俺の後ろをおいかけてくる柚葉はとても可愛らしさが増す一方で、俺の胸はしめつけられた。
柚葉の成長と共に変な輩(おとこ〉も接近してきたが、俺の魅力で退散させられる程、俺は自分に自信があった。
柚葉は俺が護るが、柚葉の父親代わりにはなるつもりはない。
もちろん兄のような存在だが、兄がわりとして育ってきたつもりもない。
俺の柚葉への愛情は誰にも負けない自信がある。
運動が苦手でちょっと太っている天然で鈍い柚葉だってもう高校1年生だ。
俺の気持ちにも薄っすらと気が付いている頃だろう。
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