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俺は母さんの言葉に涙を流しながらそう言い、
「それに、随分前に言っていたけれど、占い師だかなんだかの言葉を信じて上の学年に入れるなよー」
涙を拭いながら、あまりのショックに頭をかき混ぜる。
「だってその方が『一族が反映する』って言っていたしねー。はいお皿しまって」
怒りのあまり割ってしまいたくなる衝動を抑えながら俺は指示された通り皿を食器棚にしまう。
家事をやるようになったのも将来柚葉1人に家事を全て任せっきりにさせない為に覚えたことだ。
親が留守がちだったこともあったが、俺が作ったお菓子を美味しそうに頬張る柚葉がとても愛おしくて、クッキーやケーキなどは簡単に作れる程覚えることができた。
俺の原動力は全てが柚葉でできている。
俺が頑張れる元気の源は全てが柚葉だ。
その柚葉が……
その柚葉が……
俺の後追って同じ高校に入学してきた柚葉が――
「ああ、もううざいわねぇ。大きな体で。邪魔よ」
俺はタオルで目じりを拭いながらメソメソとしていると、母さんが痺れをきらしたのかお玉で俺の頭を叩く。
「だって。だって――」
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