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そして年齢を重ねていったら重ねていた手から唇を重ねているようになり、そして――
実は既に密かに柚葉の唇と俺の唇を重ねたことはある。
俺の部屋で柚葉がお姫様のように日差しがあたる窓辺で眠っている時だ。
俺は誰も家に居ないことを確認して、その桃色の唇にそっと自分の唇を重ねてしまった。
眠る前に食べたハチミツ味がした気がした。
とても美しい眠り姫は起きることなくそのまま眠り続け、俺の心臓は高鳴った。
忘れられない思い出だが、俺はとても重罪を犯してしまったことには変わりがない。
小さかったとはいえ俺は柚葉の許可を得ずにキスをしてしまったからだ。
その大罪を忘れてはならない。
だが、俺の将来の夢は柚葉の夫だ。
柚葉は俺のハニーだ。
生まれた時から最期まで全身全霊をもって柚葉を護り生き続けるだけだ。
それにむけて日々勉強から運動まで一生懸命頑張り、柚葉の隣に居られるよう精進するのみである。
柚葉にキスをしたのはたった1度。
その時だけ。
触れ合った瞬間天使がラッパを吹いた気がした。
俺と柚葉は祝福されているのだろう。
なんて運命的な生まれなんだ……。
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