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「で、どうよ?シェアハウスの住み心地」
晶斗が話題を変えるように、訊いてきた。続けて、
「実は、シェアハウスも考えてたんだけど。ほら、経費が安いって言うじゃない?でも他人と生活ってどうかなぁって。でも、トーマがいるなら心強いわ」
と言った。
その言葉を聞いて、冬馬は口の端がにやけてくるのが分かった。
(よし。乗ってきたな)
冬馬は、この街で晶斗と会う約束をしたときから、自分の住むシェアハウスに彼を誘うつもりだった。
4部屋あるうちの空き部屋1つ。ここに、変な奴に入られては困るのだ。
冬馬はそんな思いをまったく見せずに、淡々と答えた。
「ああ。諸経費は安く上がるよ。家電も備え付けのものがあるしね。ただ、家電も、風呂もトイレも共同使用だから、いろいろ気は遣うよね」
「そっかー。そうだよね。どこでもあるよね、メリットとデメリット」
「そうな」
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