第1話 死神少年と厠の守護者

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「で、トイレの前に来たが……どうやって入って確かめるんだ?」 「ふっふーん。こうするのだ!」  ムジナが取り出したのはセーラー服。  しかし、一着しかない。 「変装?」 「そ。お前はなんか女々しいからいらないだろ」 「いや、いるって!」 「ちゃんと用意してるぜ」  そう言って勢いよく取り出したのは……。 「これって……赤ずきん?」 「赤だしな」 「人のイメージカラーで決めるな!」 「赤なのか……墓穴掘ったな」 「と、とにかく行くぞ!」  トイレの花子さんとは、学校の怪談でも有名な女の子の幽霊。  学校3Fのトイレの扉を3回ノックし、『花子さんいらっしゃいますか?』と尋ねる。  それを一番前の扉から三番目の扉にするのを三回繰り返す。すると、三番目のトイレから返事が返ってくる。そして扉を開けると花子さんが入ってて、トイレに引き込まれるという。 「ノックしたぜ。次でラストだな」 「本当に呼び出すのか?」 「あぁ!起こってる事件も気になるしな……全て暴露させてやる」 「そうか……ま、好きにしろ。俺はあっちで見てるからさ」 「お前もやるんだよ」 「はいはい」  ムジナに押され、二人は前進した。そして手前から二番目の個室に差し掛かった時だった。  ──ドンドンドン!  扉が叩かれる音がした。 「……お前、叩いたか?」 「こんな所からどうやって叩けっていうんだよ。そっちこそやったんじゃないのか?」 「違うって」 「「ってことは……?!」」  ──ギィ……。 『……あなたたちも引き込んであげる』  嬉しそうな少女の声が響いた。  それと同時に二人の命知らずな男たちの叫び声も響いた。 「出たあああああああっ?!」
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