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「これは……」
男が画面に目をやると、テレビには先程の花嫁と新郎が映し出されていた。しかし先程とは違い、花嫁と新郎の家庭でのやり取り風景が映し出されている。
「ちょっと、コレはどういう事よ!」「何がだよ!」「この女は誰なの!?」
花嫁はスマホを翳しながら新郎を問いただす。
「それは……つうか、なんで俺のスマホ勝手に見てんだ!!」「アンタが最近可笑しな行動ばかりしてるからでしょ!?」
揉め合う二人を呆然と見つめる男が告げる。
「これは、一体……」「言っただろ?これは罰だよ。アンタを裏切った彼らの未来さ」
少年は両膝を立てながら鼻歌混じりに呟いた。がなる花嫁の剣幕は未だに留まる事はせず、口論は更に続く。
「この女は誰なのよ!!まさか浮気してるワケじゃないでしょうね!?」「だったら何だよ!お前だって結婚前に俺以外の奴と浮気してたじゃねーか!!」「それとこれとは別でしょ!?結婚した後に浮気なんてサイテーね!こんなんだったらあのヒトと結婚していれば良かった!!」「あーあーならそうして貰えよ!?未だにアイツがお前の事好きならなぁ?俺はコイツと仲良くやってんだ、お前みたいな年増にもう興味はねぇんだよ!出ていけ!!」
少年は喚く花嫁と新郎を余所に欠伸を欠いて男に告げた。
「この後、この二人は離婚して花嫁はアンタの処へ戻ってくるよ?」「何故、分かるんだ?」
男が驚き少年を見ると、少年はクスリと笑い、男の質問へは答えもせずに問う。
「アンタはどうしたい?」「えっ……?」「よりを戻す?それとも─────」
少年の質問に男は暫く考えていると、少年は立ち上がり男に忠告した。
「ボクは止めた方が良いと思うけどなぁ……でもまぁ、これはアンタが決める事だから」
少年はスタスタと歩き出し、暗い部屋の扉を開けて何処かへと行ってしまった。男はその少年を見据えながら自身の答えはもう決まっているのだと、胸に手を当て瞼を閉じた。
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