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待ってるよ、とそれだけ打って送った。ゲームもする気がなくなって、スマホを持ったままソファにもたれる。俺はどんな顔で清文を迎えればいいんだろう。無理に笑わせる方向はイタいか。自然にした方がいいよな。
インターホンが鳴る音が聞こえた気がして、飛び起きた。見事に寝落ちをかまして、壁かけ時計は日付を越えようとしてる。聞き違いかと思った時、もう一度鳴るインターホン。
「悪い、今開けるよ」
モニターに映った清文の顔は、さすがに疲れていた。玄関に急ぎ、ドアを開ける。
「おかえり、父ちゃんどうだった?」
無言で靴も脱がないまま、いきなり抱きしめてくる清文。玄関との段差のせいで、顔の高さが同じぐらいになる。
「……とりあえず手術は成功したけど、正直、あんまよくないみたい」
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