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「なあ、訊いてもいいか? なんで転職するんだ?」
部長としてはやっぱ、長く勤めてもらいたいだろう。いつだったか三谷部長と喫煙所で話してた内容からしても、すぐ辞めるようなヤツには否定的な感じだった。理由を聞きたくなるのは当然だ。
「目標ができたんです。その目標のためには、ここじゃダメになって。いや、ダメってこともないんでしょうけど、早く転職した方がいいかなって思ったんっス」
俺のぼんやりした答えに、部長は黙って笑みを浮かべ、うなずいた。
「女か?」
まあ、正確にはそうじゃないけどそういうことだから、俺はうなずいた。
「そうか、じゃあいつだったか聞いた、好きな相手とうまくいったのか? 最近のお前、いい面構えになってきたからな」
部長もそんなふうに俺を見てたのか。清文と恋人になれたことは、周りからもそんなに分かるほどに俺を変えたのか?
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