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ごめん、と言って少し身体を離した清文が、泣きながらキスしてくる。俺はすっげえ幸せな気分で、清文のキスを受け止めた。酒くさくて、しょっぱい。清文の顔に添えた手が、涙でベタベタする。
このキスを忘れたくない。この時のことを、ジジイになっても二人で語り草にできたらいい。
「樹は、ホントにすごいサプライズしてくるね。俺、マジうれしくて無理……」
長いキスの後、泣き濡れた顔を袖で拭きながら言う。目尻や鼻が赤くなった、俺しか見れない泣き顔。こんなに泣くほど喜ぶなんて、やっぱりいつか社長にならなきゃいけないことは、かなりのプレッシャーなんだろう。
「ホント好き、大好きだよ樹」
雨のち晴れ、って感じでキラッキラした笑顔。
「もう、これ以上盛り上がるサプライズはできねえぞ?」
やっぱり、鶴松に入って清文を支えたいって思って行動したのは正解だった。これからも二人で、一緒に頑張っていこう。
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