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第二話
「今日は流星群の日、なんだって。」
お母さんが久しぶりに口を開いたと思ったら、こんなことを言った。
「そうなんだ、じゃあ今からでも見に行く?外出ようか。」
私は素っ気なく返す。
星なんて、特別興味はなかった。
だけれど、せっかくのお母さんの誘いなのだ。
こんな時くらい、見てみてもいいかな。
2人で玄関を開けて、外に出る。
とてつもない寒気が、私たちを襲う。頬が痛い。
どうやら2月の冬の夜を、舐めてはいけなかったようだ。
凍えながらも、私たちはひらけた、星のよく見えそうなところに移動する。
しばらくお互いに、口を開くことはなかった。
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