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「いや何してんの!?バカじゃないの!?」
その日、舞ちゃんに電話で報告したら、ものすごく怒られた。
「騙されてんのよ!!」
「そんなことないわ」
「ある!!だって美容師でしょ?絶対チャラいに決まってる!」
そんな風には見えなかったけれど。
むしろ誠実そうに見えた。
「永美里は男知らないからよ!純情そうだから騙せると思われたのよ」
「でも、その人も親に結婚迫られて困ってるって」
「嘘でしょ!簡単に信じるな!」
舞ちゃんってば、酷い。
「美容師なんて付き合っちゃいけない3Bの一人よ?絶対ヤバいから!!」
「なあにそれ?」
「そんなことも知らない夢見がちの世間知らずなのに……絶対やめときなさい!」
「でも、もう約束しちゃったの。明日会ってこれからどうするか決めようって」
「ハア!?」
「大丈夫、私舞ちゃんが思ってるよりはしっかりしてるわ」
「いやその自信どこから!?」
「心配しないでね」
そう言って電話を切った。
舞ちゃんはまだ言い募りたい雰囲気を感じたけど、会ってもいないのに決め付けるのは良くないと思うの。
多分あの人は悪い人じゃない。
チャラそうにも見えなかったし、何より名前がハルトだし。
名前がハルトの人に悪い人はいないわ。
私は本気でそう考えていた。
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