2.偽装のためのデート

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2.偽装のためのデート

 その日は午前中から青人さんと会うことになっていた。例の偽装恋人関係について、詳しく話を詰めるため。  待ち合わせ場所に着き、一応「着きました」とメールを送った。 「お姉さん、一人ですか?」  突然知らない男性に声をかけられた。 「今はそうですが……」 「こんなにかわいい人、初めて見ました。良かったら連絡先、交換しない?」 「人を待っているので」 「じゃあその人が来るまで一緒に話そうよ」  ……これは、舞ちゃんがよく言うナンパというやつ? 困ったな、と思っていたら。 「永美里、お待たせ」  突然目の前からキラキラオーラを放つ、ものすごいイケメンが真っ直ぐ私の方を見て歩いてきた。  ……こちら、一体どなた? 「彼女は俺の連れですが、何か?」 「あ、いや……」  ナンパは引きつった笑みを浮かべ、そそくさと逃げて行った。 「すみません、遅くなりました」 「どちら様ですか?」 「え?俺です、青人ですよ」  えっ……。びっくりしすぎて私は何度も彼の顔を見てしまった。  美容院では分厚い瓶底メガネをかけていたから、素顔を知らなかった。  まさかこんなにイケメンだったなんて。 「ああ、昨日はメガネでしたね。すみません、あれは伊達なんです。 以前別の店に勤めていた時、色々あってから今の店ではかけるようにしてるんです」
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