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「馬鹿げてる!虎橋グループの副社長って、今38歳でしょ!?
仕事もロクに出来ないくせに、社長の息子ってだけで副社長になった馬鹿息子って有名よ!」
「詳しいね、舞ちゃん」
「うちの出版社でも有名だもの。何回か見たことあるけど、小太りのハゲ親父じゃない!
あんなオヤジに永美里は渡さない!!」
彼女は私の二つ上の幼馴染、舞ちゃん。
昔から私のことをいつも心配してくれて、本当の姉のような大切な存在だ。
舞ちゃんは一流大学を卒業し、この春から大手出版社の雑誌編集者になった。
「永美里、まさか結婚するつもりじゃないでしょ?」
「うん、しないわ」
「そうよね!」
「だって私には、迎えに来てくれる王子様がいるから」
「まだそんなこと言ってるの!?」
「そうよ?」
「永美里……、あんたもう21でしょ?いつまでそんな夢見がちなこと言ってるの?」
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