1.初恋と偽装恋人

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 ハルトくんにかわいいね、と言われる度に胸がキュンとなる。  ハルトくんの手は魔法使いみたいだけど、私にとっては王子様。  ずっとハルトくんと一緒にいたい。ハルトくんだけのお姫様になりたい。  ある時、一緒に遊んでいたら、私の靴が片方だけ脱げてしまった。  脱げた靴をハルトくんが拾い、私に履かせてくれた。 「シンデレラみたいだね」  その言葉に胸がきゅうっとなって、思わず口に出していた。 「……ハルトくん、好き」  ハルトくんはびっくりした表情をしていた。  私は恥ずかしくなって逃げようとして、ハルトくんに腕を掴まれた。 「――待って!」 「……っ」 「エミリ、今のほんと?」  コクリと頷く。  顔が真っ赤になっているのが自分でもわかった。 「俺もエミリが好きだよ」 「……ほんと?」 「本当」  よかった、嫌われてなかった。  そう安堵したら、ハルトくんの表情が変わった。 「エミリ、ちゃんと意味わかってる? 俺はエミリのこと、女の子として好きなんだよ」 「え……、」  熱っぽい表情で真っ直ぐ見つめられたと思ったら、そのまま顔を引き寄せられてキスされた。  好きな人との初めてのキスは、心臓が破裂しそうなくらいドキドキした。 「エミリ、絶対に迎えに行く。 だから大人になったら、結婚して」  思わず涙を溢しながら、大きく頷いた。
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