1.初恋と偽装恋人

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 そうだとしても、舞ちゃんに迷惑はかけたくない。  私は昔からずっと舞ちゃんに支えられてきた。  つらい時もずっと舞ちゃんが傍にいてくれた。  舞ちゃんがいてくれたから、今の私がいる。 「ありがとう、舞ちゃん。 でも、これは私のことだから自分でどうにかしたいの」 「永美里……」 「大丈夫、ちゃんと話せば伯母さんもわかってくれるわ」  なんだかんだで家族なんだもの、きっと大丈夫。  それでも舞ちゃんは納得いかない様子で、複雑そうな表情を浮かべていた。 * * * 「こんにちは、永美里ちゃん」 「こんにちは〜。今日もよろしくお願いします〜」  舞ちゃんと別れた後、子どもの頃から通い続けている馴染みの美容院に行った。  中学生の時からだから、もう8年くらい通ってる。  店長の馬野(まの)さんはずっと私の担当をしてくれていて、その縁で今でもサービスしてくれる優しい美容師さん。 「今日はどうする?」 「いつもと同じでお願いします」 「OK。リュウ、シャンプー頼むよ」  言われてやって来たのは、分厚い牛乳瓶みたいなメガネをかけた人だった。  新しいアシスタントさんみたい。 「……シャンプー、入らせていただきます」  新しいアシさんはとても無口な人だった。  美容師さんって喋りが得意なイメージだったけど、そうでもないらしい。
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