9.絆されて、甘い熱

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9.絆されて、甘い熱

「もう、二人して熱出すなんて。無理しすぎじゃない?」 「ありがとう、お母さん……」 「お粥作ったから食べてね。本当にお母さんいなくて大丈夫?」 「うん、大丈夫。ありがとう」  翌朝、目が覚めたら隣で皇輝が寝ていた。  驚きすぎて飛び起きたけど、すぐに皇輝が赤い顔をしていて熱があることがわかった。  私もまだ熱があったのでお母さんに来てもらい、解熱剤を飲んで今は少し落ち着いている。 「ちゃんと薬飲んでね。何かあったらすぐ言ってね」  お母さんはすごく心配して泊まって看病しようかと言ってくれたけど、大丈夫だと断った。  だって……なんかすごく気まずいんだもん……!!  昨日のことは、うっすら覚えている。  昨日皇輝と……うわああああああ!!  お母さんには言えないことをしてしまった罪悪感で、まともに目が合わせられない。  もちろん皇輝とも…… 「妃乃、」 「えっ?」  呼ばれて振り返った瞬間、ちゅっと額にキスされた。 「おやすみ」  そう言って自室に戻った皇輝。  思わずフラフラと後ろによろけて壁にぶつかってしまった。 「〜〜……っっ」  キスされたところに触れてみる。  なんか皇輝、昨日からなんていうか……すごく甘い気がする。  いや気がするじゃない、絶対に甘い。
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