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問い詰めたくて、塔子ちゃんを睨んだ。
私の視線に気づくと、塔子ちゃんはクスリと笑った。
わざとだ……。
私の企画を盗んだんだ――……っ!!
婚約者だけでなく、仕事まで奪うなんて……っ!!
「……っ、あなたっ!なんてことしてくれたのよ!?」
「きゃああっ!やめてください……!!」
頭に血が昇り、私ともあろう者が激昂して塔子ちゃんに掴みかかってしまった。
すぐに周囲が止めに入ったけど、初めて誰かのことが憎いと思ってしまった。
あの企画は、私が一から考えてずっと推敲しながら進めてきた、自信作だったのに。
やっと自分の中でも納得できるものができそうで、あと一歩だったはずなのに。
歩のことだって…どうして……
私が何をしたって言うのっ!?
「……っ」
「天王寺さん!?天王寺さんしっかりして!!」
そのまま、私は倒れた。
病院へ運ばれ、過度のストレスによるものだと診断された。身も心もボロボロだった。
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