1.崩れ落ちた幸せ

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 そんなことを考えるくらい、私の思考は停止していた。  就活しなきゃいけないのはわかってる。  でも、もう少しニートでいさせて欲しい。 「……っ」  だって、未だにふとした時に涙が溢れる。  涙は枯らしたと思っていたのに、全然ダメ……。  その時、スマホが鳴った。  相手はお母さんだ。 「……はい」 「妃乃?大丈夫?元気なの?」 「元気かなぁ……生きてはいるけど」 「妃乃、一回こっちに帰って来なさい。お父さんも心配してるんだから」 「……」 「てゆーか、もう妃乃を一人にしておけないってお父さん、明日迎えに行くって聞かないの。 お母さんもその方がいいと思うから….ね?帰っておいで」  両親の優しさが身に沁みる。涙声になりながら、「わかった」と答えた。 「あとね、明日の夜お父さんの会社のレセプションパーティーがあるの。 妃乃も行かない?」 「パーティーなんて、そんな気分じゃ……」 「お父さんがドレス買ってくれるって!気持ちはわかるけど妃乃、ちょっとした気分転換になるかもしれないよ。ねっ」 「……、わかった」 「そう!よかった!」  正直全く気乗りはしないけど、お母さんが何とか元気づけようとしてくれてるのはわかるし、お父さんにも心配かけたくない。  このままヒキニート続けるわけにもいかないし、一旦実家に帰って気持ちをリフレッシュさせた方がいいよね……。
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