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「熱、うつっちゃうから……」
「――うつしていいよ」
そう耳元で囁いて、熱くて柔らかな唇を塞いだ。
感触を確かめるように長く触れ合い、一度離して角度を変えてもう一度。
小鳥がついばむように何度も何度も軽いキスをし、段々と絡まり合いを深めてゆく。
「ん……っ、ふぅ……っ」
最初は強張ったように体を硬直させ、絶対に口を開けないとばかりに真一文字に結んでいたが、段々と降り注ぐキスに絆されていった。
口が開いた瞬間を逃さずに舌を捩じ込み、何度も舌を絡め取って唾液を交換し合った。
いつしか妃乃は俺の背中に手を回し、自分から求めるようになった。
それが狂おしい程愛しくて、皮一枚で繋がっている理性が崩壊しそうになる。
「んん……っ」
舌を下へ下へと這わせ、鎖骨あたりに強く吸い付いた。
朝起きたらキレられるだろうな……と思いながら、鎖骨に真っ赤な印が残る。
他に首筋にもキスをして、ビクッと体を震わせた妃乃は……そのままぐったりと倒れ込んでしまった。
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