9.絆されて、甘い熱

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* * *  目覚めた時には体が軽くなっていた。  熱を測ったら、36度まで下がっていた。  ちょっとだけ高いけど、ほぼ平熱だ。  頭痛もないし、気怠さもない。  喉はまだちょっと痛みを感じるけれど、だいぶ良くなった。  ちゃんと薬が効いたみたいだ。  この調子なら明日は回復してそうだし、月曜は問題なく出勤してそう。 「うーーーん……、シャワーでも浴びてこようかな」  私はベッドから起き上がり、着替えを用意して脱衣所へ向かった。  ガチャリとドアを開けたら、 「……っ!?きゃああああ!!」  なんと裸の皇輝が!!  思わずドアを勢いよく閉めた!! 「ご、ごめんなさい……っ!!」  皇輝が入ってる可能性を考えていなかった。  びっくりした……。  一瞬だったけど、脳裏に焼き付いてしまっている。  濡れた髪、程よくついた筋肉――思い出して顔から火が出る。 「おい、もういいぞ」  顔を覗かせた皇輝は、下は履いているものの上半身は裸だった。 「ちょっ……、服着てよ!!」 「暑いんだよ。なんかやらしーこと考えてんの? おねーちゃん」 「考えてないからっ!!」  こんな時ばっかりからかうように、おねーちゃんって呼ぶんだから!!  皇輝から逃げるように脱衣所に入り、バタンとドアを閉める。  病み上がりのアレは刺激が強すぎる……。  皇輝って鍛えたりしてるのかな……?  腹筋割れてたよね……?  やばい、なんか私変態みたい!!
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