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汗とともに煩悩も洗い流す。
シャワー浴びてスッキリさせて、もう体調は大丈夫だと感じた。
すると今度はぐーーーーとお腹が鳴る。
薬飲むためにヨーグルトは食べたけど、それ以外は何も食べてなかった。
せっかくだし、お母さんが作ってくれたお粥食べよう。
着替えてダイニングへ行くと、既に皇輝がお粥を食べている。
「皇輝も熱下がった?」
「まあな」
「ごめんね、風邪うつして」
「うつしていいって言ったの俺だし」
……うぐ。
そういえばそんなこと言われたような……。
何となくドギマギしながらお粥をよそって温める。
お母さんのお粥はホッとする味だ。
昔風邪を引いたら必ず作ってくれたけど、実家を出てからは初めてだったので心が温まる。
「はーー、おいしい……」
「母さん、他にも色々作ってくれたみたいで冷蔵庫におかずあった」
「マジで!やったあ!」
「ちゃんと薬も飲めよ」
「わかってます〜」
たまに子ども扱いするんだよなぁ。
むくれながらお粥を食べていると、皇輝は目の前でPCを立ち上げる。
「仕事?」
「そう。シエロジャパンの件でな」
「そっか」
やっぱり社長の仕事って大変なんだ。
私は邪魔にならないよう、食器を片付ける。
さて、どうしよう。
仕事の邪魔しちゃ悪いし、早く部屋に戻ろうかな……。
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