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高校での部活紹介や、各部活動が勧誘をしている中六華は、教室の隅っこに目立たないようにひっそりと座っていた。
そこで声を掛けたのが結であった。
「貴方は部活動の見学はしたの?」
「いや、してない。というか、部活は入らないかな?」
「あー。確かに高校生なると勉強とか色々な事が忙しくなりそうだし、仕方ないよね」
彼女は、何故部活に入らないかと、理由を聞かず六華の事を肯定した。
その些細な結の気遣いと計らいが六華の閉ざしている心の扉が開く要因になった。
また、その風格や、振る舞いが六華は同じ同級生と疑うレベルである。
「あなた名前は?確か同じクラスの子だよね」
「わたし?私は猪狩よ。猪狩結。残念だけど、隣のクラスね。これから茶道部の見学行こうとしていて、同じクラスや、他の子誘う予定だったんだけど。貴方しか居なかったから声掛けたの。体調悪くて動けない状態だったとかだったからごめんなさいね」
普段自分から声なんか決して掛けない六華が結に声を掛けた瞬間だった。それが彼女達の友達になる馴れ初めであった。
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