夜明けの波間に

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 寝ぼけているみたいに頭の中はふわふわと曖昧で、自分がマジックアワーと名付けられた時間帯のその空の中にいるのだと理解が追いつくまでに、ずいぶんと時間がかかった。  ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に、私は腰掛けているらしい。 雲や霧の波のなかで揺らめくこの船のことを、眠れぬ赤子をあやす揺りかごのようだと、穏やかな揺れに微睡みかける私は思った。  不思議な夢だ。波の揺れも、年季の入った木の軋みも、頬を撫でる寒さも白い息も、全てが現実のようなのに。  でも私は昨夜寝る前に着込んだパジャマと厚いカーディガンをそのまま着ていて、こんな状況にも大して驚くことなく心地よさを感じているのだから、きっと、これは夢なのだ。
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